ひねもすのらりくらりかな

福岡在住です。 すろーなペースで食べ物,写真などについて書いてます。

2017.07 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2017.09

2014.08.15 Fri » 僕が貧乏舌になったわけ ~第4話~

※酔っ払って13日に書いたブログの中に「受験生時代の話を」とあったので、
 もしかしたら読みたいと思ってくださった人もいるかと思い書いてみました。
 かなりの長文なので途中で断念されても全然OKなので読んでいただけたらと。


*******************

Qあなたが生まれて初めて「世の中にはこんなうまいものがあったのか!」
と感激したのはいつ、どんな食べ物に対してでしたか?


小さい頃からさまざまなおいしいものを堪能されてきた人だと
「そんなのひとつに決められないザンス…」とお困りになられるでしょうが、
私の場合は明確に「いつ・どこ・何」を答えることができて
それは大学受験で泊まった東京目白のホテルのステーキとクロワッサンでした。

“受かって当然”の優秀な同級生たちは、早い段階で東京の私大を
「滑り止め」として受験することを決めてホテルを予約していたので
安価で設備もアクセスもいい確か新宿のワシントンあたりを確保できていたのですが
“受からなくて当然”の私が“記念に”と受験させてもらえることになって
ホテルの予約をするころにはほとんどのホテルは埋まっていて、
結局取れたのは「一泊2食付20000円」の高めのホテルのみでした。

今調べたら現在のそのホテルの宿泊料自体はそこまで高くなかったので、
その分料理にかかっている料金の比率が高かったようで
だいたい5~7000円くらいのコースをそのまま受験生に出していた感じでした。
なので、旅行といえばキャンプ場でのテント泊くらいしか体験がなく
ホテルでごはん食べるのなんて修学旅行以外体験の無かった私にとって
初めて食べる西洋のコース料理のすべてがびっくりのし通しでした。

白く大きなお皿の中央にちまっとのせられたわずか数切れのステーキは
食べるとなんともやわらかくほどけて肉汁をあふれさせ、
焼きたてのクロワッサンはパリッと軽快な食感を響かせたあとで、
バターがふんだんに使われているからなのか
口腔にへばりつくことなく、けれど上手に口中の水分を吸って
むちっとした弾力感も伝える食べ応えもあって大満足…。

基本的に和食をメインとした田舎の家庭料理で育ってきていて
ご馳走といえば「寿司・すき焼き・おせち」くらいしか経験の無かった
私の食生活の世界にパラダイムシフトを与えてくれた体験でした。

「世の中にはこんなおいしい料理が存在するんだなあ…
いい大学に入っていい給料もらえるようになったら
こんなものを気にせず食べられるようになるかも!」
大都会TOKIOの片隅で地方出身の当時は若かった受験生が
これから広がるかもしれない夢に胸と胃袋を躍らせた夜の体験でした。

2014bonkisei3.jpg

ここまで読んで、もし私のブログを継続して読んでくださっている人がいたら
『ん?貧乏だったのに東京の私学に下宿で通わすほどのお金があったの?』
という疑問を感じてくださった人がいるかもしれません。

私の世代くらいだと「国公立だったら大学行かせてやる」といわれていた人は
結構多いと思うのですが、私の場合も中学時代からそういわれていたので
高校のときは国公立一本で受験対策をしておりました。

んが、たびたび書いているように「数学と物理の才能0」だったので、
どう考えても国公立よりも私立文系のほうが有利だった私…
国公立は「それなり」の大学しか受けられないのに対して、
私学だと「そこそこ」の大学でも受かる可能性があるとの模試の判定をみて
『私学だったら結構名の通った大学にも受かりそうなのに…もったいないなあ…』
なんていうわけの分からない「もったいない精神」が発動してしまい、
「同級生で東京の○○大学受ける人が多いから私も受けたい」と
断られること前提で親に頼んでみることにしました。

なので受験OKをもらったときは内心びっくりして
『うちにそんなお金あったっけ???』という疑問を感じつつも、
『ま、やっぱ親としても知名度の高い大学に行ってほしいのかも』
なんて思ってあまり深く考えずに受験しにいったのでした。

で、受験結果が出だして、第一志望だった国公立前期は落ちたのですが
東京の私学は2つ受けたうち1つ受かっていたので私学に行きたいなあ…
などと思って親にその旨話しに行くと…

「え、○○大学って国立じゃないの?
有名だから国立だと思ってた。
じゃあ無理、東京の私学に行かすような金はない。」

ひ~~~そんなオチかよ~~。・゚・(つД`)・゚・。(泣き笑い)。

「変に親が興味を持って子に考えさせずあれこれ言うより
全部子にまかせたほうが子ども自主性を高めることになってよい」
という親のポリシーはほとんどにおいてプラスの効果を私に与えてくれましたが、
こと受験校の選定についてはも少し親にも興味を持って
検討してもらったほうがよかったみたいです(笑)。

ま、でも実際私が受けた東京の私学2学部のうち、
落ちた第一志望の学部だとそんなに学費は高くなかったのですが、
受かった第二志望の学部は理系的な要素もからむ学部だったので
記憶では当時でも初年度納付金が110万~だったはずなので、
仕送り代とかも考えたら、今の私が親でも「無理」としか言えないよなあと。
あと、今でこそ分かるのですがその東京の私大に行っていたら
少なくとも今の職業には就けてなかったはずなので、
ある意味「幸運な断念」だったなあとは今本当に実感しています。
2014bonkisei2.jpg

ま、でもそんなすったもんだがあって、最後のコインに祈りをこめる気分で
受験をしにきた地は福岡の…ホテル名はちょっと記憶がありません。

「最上階に大浴場があって、前日調子乗って窓からの景色楽しんでいたけど
翌日見たら窓には緑色の縦長のプラ板が申し訳程度にある程度の
下から丸見え状態だったので“裸をさらしていたかも”と恥ずかしく思った」ホテルで
部屋の窓の外には公園が見えて、その先にANAホテルが見えるホテルなので
今大体の場所は把握できるのですが「これ」と限定できないのがもどかしいなあと。

で、3月中旬に受験に来る人などはほとんどいないのでホテルもがらがらだったので
安いビジネスホテルも一杯空いて、泊まったホテルも「一泊2食付8000円」。
これは今の私が使うビジネスホテルとほぼ同じグレードですが、
一泊2食2万円のホテルのあとだと見劣りするのは当たり前でした。

ホテル側の配慮で、一般客と受験生の食事場所を分けていたのでしょうが、
キンキラモールとかで飾られた「受験生のみなさん頑張ってください」の
ウエルカムボードは安っぽく、TOKIOの高級ホテルでは白い布が
かぶっていたテーブルにはそんな布は無く、木目の見えるテーブルの上には
赤と緑のふたの醤油ソース差しが載っていて…(笑)。

わずか10日ほど前に膨らみまくった夢は、弾ける勢いや音も無く
祭りの翌日の風船のようにしみったれたしわだらけの泣き顔を
安っぽいウエルカムボードの上にさらし続けています…。

いけないいけない…落ち込んではいけない…おいしいもの食べて
元気を取り戻さなければ…と思って出された料理をみると…
そこにあったのは東京のよりももっとずっと大きい1枚物のステーキ!

でも…1泊2食8000円のホテルで、受験生のための験担ぎで
無理にビフテキを出してくれたからでしょうか、
肉は帆布のように硬く繊維だっていて不慣れな私の
ナイフフォーク捌きでは上手に食べることができず、
ぎゅいこぎゅいこいわせてやっと口にしても
出てくるのは肉汁ではなく咀嚼を繰り返すことによる唾液ばかり…

やっぱり自分にお似合いなのはこの手の食べ物であって
志望校落ちた私が今後得ていくのもこの手の食べ物なんだろうなあ…。

なんて気持ちになってしまって、部屋に戻って眠る前にも
窓の向こうに見える華やかなANAホテルをみて
「もうあっちの世界の住人に成り上がるチャンスはなくなったわけだ…。」
なんて思っていた記憶があります。

まあでも、今考えると当時そんな世の中なめ腐った生意気な
感情で受験に臨んだため、いい意味で緊張せずに受験することができて
そのおかげで後期には受かることができたのでは…とは思いはしますが、
「華やかな世界へのさよなら」は、第1志望校に落ちたときではなくて
あのステーキを食べたときに実感した記憶があるのは確かだなあと。

そんな記憶があるので、博多駅からANAホテルの前とおって
住吉神社方面に歩くときはいつもその記憶がよみがえって
交差点で立ち止まってふと空を見上げてしまう自分がいます。

ま、でも見上げる先はANAホテルじゃなくて、
受験時に泊まったホテルがあったであろう方向なんで、
そういう意味ではそのときの気持ちをいい経験として
捉えられている証拠なんではないかな…と思っております。

ま、今自分で食べるステーキってもっとずっと硬くて安いやつだもんなあ。
どうしてここまでになったんだろうか…それはまた後のお話で(笑)。
2014bonkisei1.jpg

とりあえず今から親の実家ならではの「ただ酒」堪能してきます。
関連記事
スポンサーサイト

« | HOME |  »

comments
comment posting
管理者にだけ表示を許可する

trackback

http://hinemosunorakura.blog112.fc2.com/tb.php/1235-c0e63947

09profile.gif

く~ねる

AUTHOR : く~ねる

福岡在住のおっさんです。
コメントは承認制ですが、
お店の誹謗中傷などなければ
なんでも表示されますので
コメントもらえるとうれしいです。
ツイッター: 三鯛@tukushitai

09category.gif
09entries.gif
09comments.gif
09trackbacks.gif
09archives.gif
09link.gif
09others.gif

FC2Ad

09search.gif